1. 認定調査準備
認定調査では、実習協力者(利用者)が必須です。
認定調査後に自分で介護度を算出し、要介護2以上がでないとやり直しになってしまうので、現在働いている方は職場で要介護2以上(身体機能面のみで)の利用者に協力いただくのが良いと思います。
※「実習の手引き」の≪よくある質問≫では、要支援1以上となっています。本当のところは不明です。
ケアマネ実務研修前期講義第2日関連記事あり。
現在要介護認定を受けていない方は対象外
居宅で生活をしている方のみ
家族や親せきは対象外
現在働いていない方は概況を伝え、実習先で紹介していただくのが良いと思います。
この時に「認知機能はなく要介護2が出る方」と伝えてください。
実習先の方がこの条件をしらない場合があります。
いずれにしても、ご家族も事情を理解してくれる、普段から協力的なおうちの利用者が最適です。
当初予定していた利用者が、「急に入院してしまった!」なんてこともありますので、認定調査は早めに取り組むのが望ましいですね。
必要書類
・アセスメントシート
厚生労働省の示す基準「課題分析標準項目」を満たしているもの
実習の手引き(水色)にも参考手法がのっています。
わたしは「全国社会福祉協議会」のアセスメントシートをネットでダウンロードして使用しました。
お世話になった主任ケアマネさんも、一番やりやすいと言っていましたよ。
ダウンロードはこちら↓からどうぞ。
http://www.shakyo.or.jp/news/kako/materials/20171215_kyotaku.pdf
アセスメントシートと実習の手引きにある「実習事例概要(利用者の基本情報に関する項目)」2枚と「認定調査票」7枚を見比べて、記入するのに必要な事項を抜粋してアセスメントシートに“しるし”をつけておくと実調がスムーズです。
必要ないことまで実調してくる必要はありあせんので、訪問時間が最小限になるように準備しましょう。
他1枚
他5枚
・実習承諾書
実習の手引き(水色)に事務局提出用と実習協力利用者に渡す2部が綴じられています。
両方とも用紙中央にある「実習協力者名」のところは本人にサインをいただくので、独居の方の場合は文字の書ける方でないと困りますね。
ご家族がいる方は代筆可能なので、本人名の下に代筆者名と続柄を記入していただくのを忘れないようにしましょう。
また、「実習承諾書」一番上の赤矢印の箇所は自分の名前を記入します。
実習協力者の名前を記入してしまい再提出していた方が多かったので書かせていただきました。
参考書籍
アセスメントシートはパソコンからダウンロードできますが、手元に1冊置いておきたい方は(社)全国社会福祉協議会が出版しているこちら↓の書籍をおすすめします。
居宅サービス計画ガイドライン(Ver.2) アセスメントから計画作成へのマニュアル付 価格:2,160円 |
この書籍にあるアセスメント項目は、実務研修で指定されている厚生労働省が示す「課題分析標準項目」を満たしているので安心です。介護職、看護職、ソーシャルワーカー職、保健師などの発送や思考方法の違いを踏まえて作成されていて使いやすいです。
厚生労働省参考資料関連資料あり。
2. 実調・認定調査
実調では、はじめに実習協力の目的と説明をして「実習承諾書」にサインをいただきます。
同行してくださるケアマネさんも実習生だということを説明してくれると思いますが、自分でもきちんと説明しましょう。
初対面の私たちに色々聞かれたりするのは気持ちのいいものではないと思います。
実習協力者の方ができるだけ今の気持ちを話せるような声掛けなども必要です。
実習であると説明をしても「担当が変わるの?」と不安になる実習協力者もいるようです。
理解していただけるように努めましょう。
名札の着用
指示はされていませんが自分の身元が分りやすいように、研修中に配られた名札をしていきました。
同じく名札を着用していこうと思う方は、演習初日(第4日)で名札を配布されますので、見やすいように大きな文字で書くといいと思います。
実調に行く前に、実習協力者の担当ケアマネさんから概況を伺いました。
※担当ケアマネさんに、自分から「先に情報をいただきたい」と申し出ないと気付いていただけません。
あらかじめアセスメントシートに“しるし”をつけた方はお気づきかと思いますが、“しるし”をつけた項目すべてを伺うつもりでいくと、それでも相当の時間を要しますし、独居の方の場合では正確な病名や服薬の種類などわからなかったり、普段できていない事を「できる。」といったりする方もいると思いますので、概況を把握してから伺う方が良いと思います。
また、自分は良くても実習協力者の疲労や都合を考え、1時間〜2時間程度ですますのが良いと思います。
実調では、アセスメントシートの残っている項目を伺います。
何気ない会話の中で、手足を動かしていただいたり、日常動作の確認をさせていただきました。
実調自体は1時間強で終了しましたが、事前準備が大切だと感じました。
3. 認定調査票作成
では、認定調査票の作成にとりかかります。
実調がすんだら、忘れないうちに早めにとりかかるのがお勧めです。
ここでは「要介護認定のしくみ」(黄色)のテキストが必要になります。
このテキストを元に、「認定調査票」を仕上げます。
「要介護認定のしくみ」は、研修3日目に2時間程度で行われたものです。
内容をつかめた方は少ないのではないでしょうか?
相談員をしている方などは実調になれていてるかと思いますが、ここでご注意いただきたいのが例えば 第1群-1(1-1)麻痺などの有無についてです。
普通に考えると、脳こうそくなどでの感覚麻痺を“麻痺”と判断しますが、
認定調査では感覚があっても筋力低下などで確認動作ができない場合は“麻痺”となります。
感覚麻痺だけでなく、関節の可動域制限や運動機能低下も“麻痺”と判断されます。
判断基準がCW、NS、SW、PT、OTなどの職種によって違いがあるように、ケアマネの判断基準も別途あると考えていた方が良いです。
小さい違いかもしれませんが、その違いで要介護度が変化する場合もありますので、テキストをしっかり読んで作成してください。
ケアマネ実務研修前期講義第3日関連記事あり。
特記事項
「要介護認定のしくみ」(黄色)テキストでは、特記事項の記入例がわずかしか載っていません。
一次判定に反映されない介護の手間が、特記事項に記載されていないと二次判定で考慮されなくなってしまいます。
(実際には、一次判定で「できる」になってしまう項目も、特記事項に記載があれば二次判定で考慮されることがあります。)
利用者の正確な介護度が出るためには、特記事項の記載は大切です。
参考書籍実務研修で講師おすすめの書籍をのせています。
記入方法は、「認定調査票(基本調査)」で“ない”や“できる”以外に○がついた項目は、「認定調査票(特記事項)」の当てはまる群の箇所にその状況をより詳しく特記事項に記入します。
1-1左下肢麻痺に○がついた場合
特記事項 「1、身体機能・起居動作に関連する項目についての特記事項」の覧に群の番号を書いて特記事項を記入します。
1(1)ヒザを伸ばして下肢を水平に拳上できたが、すぐに振戦が出て下がってしまう。
2群の回答の場合は「2.生活機能に関連する項目についての特記事項」の覧に群の番号を書いて記入します。
一つの群ばかり特記事項が多くなり書ききれない場合は、用紙をコピーして全て記入します。
私の場合は1群で3枚使いました。3、4、6群は空欄でした。
こちら↓の厚生労働省認定調査マニュアルにも記載方法が載っていますので参考にしてみてください♪(PDFのP64〜です)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushienhou08/pdf/4.pdf